紡錘形細胞脂肪腫 spindle cell lipoma |
肉眼所見 |
皮膚生検で明らかな悪性所見認められなかったが、 |
黄色が脂肪組織。その他が繊維組織。 |
HE染色 40倍 | HE染色 200倍 | 免疫染色 CD34 200倍 |
ピンク色が繊維成分。 脂肪との比率は場所によって異なる。 |
ピンク色の紡錘形の細胞を認める。 ピンク色が薄くなっているところは 粘液がある。赤いのは血管。 |
CD34陽性 |
spindle cell lipoma(紡錘形脂肪腫) |
・脂肪腫の亜型。
・男性に多い。
・好発年齢は45〜65歳。
・好発部位は後頸部、背部、肩の皮下。
・無痛性の良性腫瘤であり、緩徐に増大する。
・病理所見は成熟脂肪細胞とコラーゲン産生性の紡錘形細胞、肥満細胞、リンパ球、粘液成分、血管成分などからなる。
・免疫染色でCD34陽性。
・MRIでは腫瘍の境界は明瞭で、脂肪組織を25〜75%同定することができる。
・脂肪以外の充実成分はT1強調像で筋肉と等信号、T2強調像で等信号〜高信号を呈し、造影検査で濃染される。
・鑑別は高分化脂肪肉腫や粘液型脂肪肉腫。
・脂肪肉腫と画像所見が似ているので、臨床所見を考慮する。
T2強調像/脂肪抑制T2強調像 |
本症例では30%程度脂肪組織。 |
take home message |
・spindle cell lipomaの画像所見は脂肪肉腫とオーバーラップする。
・境界明瞭なcomplex fatty massを、中年男性の後頸部皮下に認めた場合はspindle cell lipomaを疑う。
参考文献
|