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東京レントゲンカンファレンス TOP症例一覧 第374回症例症例:呈示
第 374 回 東京レントゲンカンファレンス[2017年2月23日]
症例5 40歳代 男性
膝窩動脈捕捉症候群
popliteal artery entrapment syndrome

MIP正面像

右膝窩動脈が一部描出されていません。
左まえ斜位で病変部を拡大したものですが、膝窩動脈は一部描出されていません。
その他の血管に口径不整や狭小化は見られません。
   
動脈相の横断像

膝窩動脈:
静脈:
腓腹筋内側頭:ピンク

左:腓腹筋内側頭は大腿骨の内側顆に付着しており、腓腹筋内側頭の内側に膝窩動静脈が走行。
右:腓腹筋内側頭は外側に偏位し、大腿骨の内側顆よりも外側で付着。
また、腓腹筋内側頭は膝窩動静脈の間に位置し、動静脈は分離して走行しています。
分離して走行している部分を見ていると、膝窩動脈は部分的に造影効果が欠損し、関節裂隙レベルで再度造影されています。

 
冠状断像
右側をご覧頂くと、 腓腹筋内側頭が外方に偏位し、膝窩動静脈の間に位置しています。
 
   

診断 膝窩動脈捕捉症候群 Type2

 

 膝窩動脈捕捉症候群 Popliteal Artery Entrapment Syndrome; PAES

膝窩動脈捕捉症候群は、膝窩部の解剖学的異常による捕捉の繰り返しによって膝窩動脈の内皮傷害を生じ、最終的に閉塞、下肢の虚血性障害を引き起こす疾患群である

【疫学
・男性に多い 1)
・30歳未満に多い 2)
・有病率:不明
 参考データ
  ー若年男性では0.165% 3)
  ー剖検例では3.5% 4)
1)Sinha S, et al. J Vasc Surg 2012; 55: 252-62.
2)Collins PS, et al. J Vasc Surg 1983; 24: 143-9.
3)Bouhoutsos J, et al. Br J Surg 1981; 68: 501-5.
4)Gibson MH, et al. Ann Surg 1977; 185: 341-8.

一般的には6つのタイプに分類される
【分類】
Type1:膝窩動脈が腓腹筋内側頭の内側を走行する
Type2:腓腹筋内側頭が膝窩動脈の外側(膝窩静脈との間)へ偏位する
Type3:腓腹筋に副内側頭が存在し、膝窩動脈の外側(膝窩静脈との間)へ偏位する
Type4:膝窩動脈が膝窩筋の深部を走行する
Type5:Type1〜4のいずれかの形態を呈し、かつ膝窩静脈も捕捉される
Type6:膝窩動脈及び腓腹筋の解剖学的位置は正常だが、肥大した腓腹筋により、膝窩動脈が圧排される

 

【臨床所見】
・下腿の腫脹、疼痛、麻痺、感覚異常、間歇性跛行、潰瘍、壊死 1)
・ただし、無症状のこともある
・両側性のこともある(27〜67%)2)
1)S. Gourgiotis, et al. Vasc Health Risk Manag 2008; 4: 83-8.
2)Collins PS, et al. J Vasc Surg 1989; 10: 484-90.

【診断】
・血管造影がスタンダードとされてきたが、超音波、CT、MRI(MRA)が主流となっている
・鑑別疾患:閉塞性動脈硬化症、バージャー病、膝窩動脈外膜嚢腫

【治療】
・腓腹筋内側頭切離術、異常筋束切除術、バイパス術などの血行再建術
・外科的治療の長期成績は良好
1)Di Marzo L, et al. J Vasc Surg 1991; 13: 434-8.

 



参考文献

  • Brauner MW, Grenier P, Mompoint D, Lenoir S, de Cremoux H. Pulmonary sarcoidosis: evaluation with high-resolution CT.Radiology 1989;172(2): 467?471. 29.
  • Muller NL, Kullnig P, Miller RR. The CT findings of pulmonary sarcoidosis: analysis of 25 patients. AJR Am J Roentgenol 1989;152(6):1179?1182.

 

 

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Moderator: 川端 直人