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第 375 回 東京レントゲンカンファレンス[2017年4月27日]
症例1 9ヶ月 女児 : 左肩部腫瘤
BCG 関連リンパ節炎
Bacille Calmette-Guérin lymphadenitis


 BCGワクチン(Bacille de Calmette et Guerin)

・ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)を長期間培養を繰り返すうちに、人に対する毒性がない抗原性だけが残った結核菌
・乳幼児結核の予防、重症化の予防に有効
・接種部位:上腕外側中央
・標準的接種:生後5ヵ月〜8ヵ月
(生後1歳に至るまでの間に接種すること;平成25年度より)

BCG接種後副反応について
・0歳児が84.5%
・男女比 2:1
・本邦では150件/年
・10371件/15億回

腋窩リンパ節腫脹(50%)
・皮膚結核様病変(26%)
・接種部位の膿瘍・潰瘍(6%)
・骨炎、骨膜炎(6%)
・全身播種性BCG感染症(1%)
・その他
厚生労働省予防接種後副反応報告書2008

 

 BCG関連リンパ節炎

臨床的特徴
・BCGワクチン接種部位と同側の腋窩リンパ節(左側>右側)
・9割以上が接種後3ヶ月以内に発症する(2週間〜半年)
発熱およびその他の全身症状がない
・病変部に圧痛がない

治療アルゴリズム
・基本は経過観察(直径30mm以下)
・化膿性は針吸引
・針吸引でも改善みられない場合は手術


 BCG骨髄炎について

[予防接種法]
以前:4歳未満
H17年:6ヶ月未満に引き下げ→骨髄炎の増加
H25年:1歳未満に引き上げ

長管骨への発症が多い(約6〜7割)
・全身状態が重篤性にやや欠ける
・骨破壊像のわりに骨膜反応が弱い
・抗菌薬への反応が乏しい
Pediatric osteomyelitis: Imaging clues and differential diagnoses
Akari Makidono, Kazutoshi Fujita, Tatsuo Kono, Gen Nishimura

“For Your Information“

・アメリカをはじめ、諸外国(ドイツ、スイス、オランダ、スウェーデン、スペイン、チェコなど)では
 BCGの予防接種を行っていない
国も多数ある。
・乳幼児結核の予防には有効だが、成人の結核を減少させるわけではない。
・ツベルクリン反応で陽性が出てしまうため、結核の診断が遅れる。

 

 Take home message

0〜1歳児の腋窩腫瘤をみたら、BCG接種歴を確認する。
左側に多い(一般的に左腕に接種する。)
・BCG関連リンパ節炎は多くは数カ月で自然に縮小・消失 する。直径30mm以下では積極的治療は不要である。

 

 


参考文献

  • Shai S: BCGitis and BCGosis in children with primary immunodeficiency, Pediatr Radiol 2016; 46: 237−245
  • JS Goraya: Bacille Calmette-Gue´rin lymphadenitis, Postgrad Med J 2002; 78: 327-329
  • Kransdorf MJ: Imaging of Soft Tissue Tumors 3rd Edition: 25-322
  • 戸井田一郎:日本における BCG 接種による重大な有害事象.結核 2007; 82: 809-824
  • Gupta K:Cytomorphologic patterns inCalmette Guerin Bacillus lymphadenitis,Acta Cyto1 1997; 41: 348-350
  • Talbot EA:Disseminated bacille Calmette− Gue´rin disease after vaccination:case report and review. Clin Infect Dis 24 1997; 1139-1146
  • Makidono A:Pediatric osteomyelitis: Imaging clues and differential diagnoses:Journal of Japanese Society of Pediatric Radiology 2013; 29: 9-25