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第 380 回 東京レントゲンカンファレンス[2017年12月7日]
症例4 40歳代 女性 : 殿部腫瘤
深在性軟部平滑筋腫
leiomyoma of deep soft tissue


 画像所見

・骨盤底部に生じた境界明瞭な腫瘤で、浸潤傾向なし。
・子宮および膣、膀胱および尿管、直腸のいずれからも由来していない。
・内部に脂肪濃度を認めるが、これは巻き込まれた周囲の脂肪組織である。
・周囲や内部の血管増生が非常に目立つ。
・T2WIで低信号の隔壁構造あり。
・間質はゆっくりと均一に造影される。
・FDG の集積は全体にほぼ均一で、強くはない。

 

 鑑別診断

・Aggressive angiomyxoma
・Angiomyofibroblastoma
・Cellular angiofibroma
 ここまでは有名であるが、さらに以下を加えておく。
  ・Leiomyoma of deep soft tissue
  ・Solitary fibrous tumor


 Leiomyoma of deep soft tissue

・軟部腫瘍としての平滑筋腫は以下に分類される。
 ➀皮膚由来 ➁血管由来 ➂その他(Leiomyoma of deep soft tissue)
・➂に分類されるものは、一般的には四肢の深部に好発する。
・それとは別に、➂の中に、子宮平滑筋腫に類似するものがある。
 ・生殖可能年齢の女性に好発
 ・多彩な変性をきたし、石灰化を伴うことも
 ・エストロゲン受容体の発現あり


 まとめ

・好発部位の近くにも病変は発生する。

 

 


参考文献

  • 横尾貴史,他. 日臨外会誌, 77: 2570-76(2016).
  • K H Kim, et al. J Korean Soc Magn Reson Med, 15: 72-76(2011).
  • M Miettinen. Modern Pathology, 27: 17-29(2014).