悪性末梢神経鞘腫瘍 malignant peripheral nerve sheath tumor |
鑑別診断 |
・MPNSTを含む神経原性腫瘍
・滑膜肉腫など粘液(変性)を含む肉腫
・ユーイング肉腫(アスキン腫瘍)
・SFT
・転移性腫瘍
MPNST 1-3) |
・末梢神経に生じる悪性神経鞘腫瘍
・50%が NF-1 由来(多発神経線維腫)、10%が放射線照射後に生じ、残りの40%が弧発性
・20〜50歳台に生じ、診断時の平均年齢は35歳
・組織:核異型や高度核分裂像を伴う紡錘形細胞、多形細胞
・隣接する臓器、骨に浸潤
・局所再発が多く、予後不良
画像所見 2,4)
・境界: 明瞭 or 不明瞭
・紡錘型の形態, 5cmを超えることが多い
・内部: 単純,造影とも不均一(内部壊死)
・遠隔転移: 肺 >> 肝,副腎など
・PET は NF-1 患者における検出に有用
⇒特徴的な所見に乏しいが,由来神経が推定できれば診断の一助となる
今回の症例
・左第10肋間からの発生を推定(肋間拡大など)
・胸腔内に突出するふたこぶ状の形態(>紡錘形)
・壊死や拡散制限,FDG 高度集積などの悪性を疑う所見
・NF-1 を疑う症候や家族歴はなし
肋間神経発生の悪性腫瘍 ⇒ MPNST
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胸壁腫瘤の局在診断に単純X線も有用
参考文献