悪性黒色腫腋窩リンパ節転移 metastatic melanoma of unknown primary |
画像所見 |
【MRI】
・左腋窩に腫大したリンパ節の集簇を認め、周囲にも複数のリンパ節の顕在化を伴う
・これらのリンパ節周囲の脂肪織に索状構造を認め、extra-capsular invasionを疑う
・腫大リンパ節には液状変性や出血等の多様な信号変化の混在
・T1WI高信号に描出される充実構造を認め、同部は造影増強される
【PET/CT】
・左腋窩腫瘤に一致したFDG高度集積(SUVmax 6.87)
・その他の領域に悪性病変を疑う集積を認めない
鑑別
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限局性の腋窩リンパ節腫大
感染症ー猫ひっかき病、結核、ウイルス性疾患
悪性リンパ腫
男性乳癌、皮膚癌、肺癌等の悪性腫瘍の転移
アミロイドーシス
関節リウマチ
T1WI高信号(充実成分)
悪性黒色腫(軟部原発、転移)
病理結果
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・大型異型細胞が壊死を伴いつつ、シート状に増生
・大型で明瞭な核小体を有し、細胞質内及び細胞外にメラニンと思われる黒褐色調色素を認める
・表皮内には病変なし
悪性黒色腫 or 原発性明細胞肉腫 t(12;22)(q13;q12)の遺伝子転座なし |
→ 悪性黒色腫のリンパ節転移との診断
原発巣は?
臨床診断 |
・病歴聴取から左拇指爪床に黒色斑があったがその後、第一関節から遠位が白斑になったとのepisodeが判明
・原発がSutton’s phenomenon*を起こしていると考えられた
→転移性悪性黒色腫との臨床診断
*Sutton’s Phenomenon:異常メラノサイトに対し免疫反応が生じ、悪性黒色腫が退縮する現象
Roxana I. N. Rom J Morphol Embryol 2015, 56(2 Suppl):659–663 Elizabeth K. H. Dermatology Online Journal 9(4): 2 |
臨床診断原発不明の悪性黒色腫リンパ節転移 (Metastatic melanoma of unknown primary site; MUP) |
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・AJCC第7版(2009)では分類が無かったが、AJCC第8版(2016)よりT0が追加された
T0; No evidence of primary tumor (unknown primary/completely regressed melanoma)
MUPは予後良好因子で生存期間が優位に長いとの報告がある
・Extra-nodal extension (被膜外浸潤)は 形式化されていないが、今後N分類に有用な因子となる可能性が示唆されている
* Jeffrey E. G. A Cancer Journal for Clinicians 2017;67:472-492
Pfeil A. F. Melanoma Reserch 2011; 21:228-234
参考文献
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