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第 382 回 東京レントゲンカンファレンス[2018年2月22日]
症例6 20歳代 男性 : 腹痛
胃重積様所見を呈した胃アニサキス症
gastric anisakiasis that looked like intussuception


 画像所見のまとめ

・胃穹窿部から胃体上部に著明な粘膜下の浮腫性肥厚を認める。
・胃の上部が内腔へ翻転、嵌入し、短胃動脈も引き込まれている。

 

 消化管アニサキス症

CT所見
・壁の限局的な強度の粘膜下浮腫
・腹水貯留
・周囲の脂肪織混濁
本症例ではこれらに加えて、重積様所見を認めた。
胃‐胃重積は稀な病態である。
E. Shibata et al. Abdominal Imaging.39(2014);257-261

部位
・胃穹窿部、噴門部が23例中13例

発症時間
・胃 : 〜24時間 (平均8 -9時間)
・小腸: 平均1.6日or 5 -7日
E. Shibata et al. Abdominal Imaging.39(2014);257-261
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壁肥厚の消失までの期間
・胃透視で”Vanishing tumor”を認めた胃アニサキス症 23例。
・消失までの期間 4-35日。
・7-15日  12例。
・29日以上 8例。
川崎博之ら. 外科診療.10(1994);1283
アニサキス症の予防
・サバ、イワシ、カツオ、サケ、サンマ、アジ、タラ、ニシン、ホッケ、イカ…
・第一中間宿主のオキアミ類を捕食しない淡水魚やタコは安全。
・養殖魚にはいないが、生餌を与えていた場合は別。

東京都福祉保健局によると
・マイナス20度で24時間以上凍結(中心部まで)
・生食する場合は、早期に内臓を除去し、4度以下で保存する。

 

 


参考文献

  • 山田唯一ら. 磐田総合病院誌.17(2015);41-44
  • 川崎博之ら. 外科診療.10(1994);1283
  • E. Shibata et al. Abdominal Imaging.39(2014);257-261
  • Up ToDate Miscellaneous nematodes