| 皮膚混合腫瘍 mixed tumor of the skin |
| 所見のまとめ |
・70代女性、右上腕皮膚〜皮下腫瘤（8cm）
・20年前に皮疹で発症、徐々に増大
・皮膚との可動性不良、深部との可動性良好
・一部皮膚は菲薄化、筋との間には脂肪織あり
・境界明瞭で厚い被膜様構造
・無数の点状石灰化、豊富な血流、脂肪、出血、myxoidな成分、などの存在が疑われる
| 鑑別診断 |
・皮膚/皮膚付属器由来
隆起性皮膚線維肉腫
石灰化上皮腫
汗腺腫、脂腺腫
皮膚混合腫瘍
・皮下組織由来
脂肪肉腫
Myxofibrosarcoma
Solitary fibrous tumor
・皮膚または皮下由来
神経鞘腫、顆粒細胞腫
| 皮膚混合腫瘍（Mixed tumor of the skin） |
・青壮年の顔面（上口唇、鼻、頭部）に好発
・硬い皮内 or 皮下結節
・深部は可動性良好
・上皮性組織と粘液様や軟骨様の間葉組織が混在
・唾液腺の多形腺腫と類似
・安齋による130例の検討では
平均54.6歳、顔面発生が92％
アポクリン型が97％、エクリン型が3％
粘液腫様変化（96％）、軟骨様変化（33％）、 骨様変化（8％）、脂肪組織様変化（35％）、石灰化（3％）
・Kazakov et al. による244例のアポクリン型の検討では
サイズはmean, 10 mm; median, 9 mm; range 3-120 mm新しい皮膚科学 第2版
安齋眞一ら. 日本皮膚科学会雑誌. 2007;117:1959-1967
安齋眞一. 日本皮膚科学会雑誌. 2007;117:2453―2459
Kazakov DV et al. J Am Acad Dermatol. 2007 Sep;57(3):467-83
| 結語 |
・緩徐に増大する顔面の皮膚/皮下結節
・多形腺腫に類似（脂肪を含む多彩な成分）
参考文献
- 安齋眞一ら. 日本皮膚科学会雑誌. 2007;117:1959-1967
- 安齋眞一. 日本皮膚科学会雑誌. 2007;117:2453―2459
- Kakitsubata Y et al. Joint Bone Spine. 2009;76:711-4.
- Kerimoglu U et al. Br J Radiol. 2006;79:e59-61.
- Uyar B et al. Indian J Dermatol. 2013;58:245.