casetop
東京レントゲンカンファレンス TOP症例一覧 第386回症例 ≫ 症例:診断

第 386 回 東京レントゲンカンファレンス[2018年9月27日]

症例3 40歳代 男性:右膝の疼痛を自覚。徐々に大腿部に広がってきた。
類腱線維腫
desmoplastic fibroma of the femoral bone


 鑑別診断

・骨幹部の溶骨性病変で、あまりaggressiveではなさそうだが、骨外へ進展している
→ “FEGNOMASHIC"
 ・fibrous dysplasia
 ・enchondroma
 ・eosinophilic granuloma (= Langerhans cell histiocytoma)
 ・giant cell tumor of bone
 ・non-ossifying fibroma
 ・osteoid osteoma
 ・osteoblastoma
 ・metastasis
 ・multiple myeloma / solitary plasmacytoma
 ・aneurysmal bone cyst
 ・simple bone cyst
 ・hyperparathyroidism (= brown tumor)
 ・infection (abscess)
 ・chondroblastoma
 ・chondromyxoid fibroma
 ・chondrosarcoma

  → いずれにも合致しない(雰囲気はfibrous dysplasiaに近いような……)

 

 Desmoplastic fibroma

・稀な骨腫瘍(原発性骨腫瘍の0.1%程度とされる)  ※参考文献では、良性骨腫瘍4692例中に13例(0.3%)
・症状は局所の疼痛や腫脹など、非特異的
・病理学的にデスモイド型線維腫症に類似する  ※ただし、遺伝子的には異なる腫瘍である
・浸潤性が強く、術後の局所再発率が高い
・若年者にやや多く、性差なし
・好発部位は下顎骨 > 骨盤骨および長管骨、の順
・X線写真で分葉状の骨透亮像を示し、皮質の破壊を伴う
・MRIではT2WI低信号を示すのが特徴的、という報告がある

 

 Take home message

(やはり)骨軟部の画像診断はX線写真が重要である

 

 


参考文献

  • S. Evans et al. J Bone Oncol. 2014, 3: 77-79.