第 387 回 東京レントゲンカンファレンス[2018年10月25日]
骨外性骨肉腫 extraskeletal osteosarcoma |
骨外性骨肉腫 Extraskeletal Osteosarcoma |
【病態】
骨形成能を示す悪性軟部肉腫
骨・骨膜に付着しない
放射線治療後(4-13%)や筋肉内注射後部位に発生
【疫学】
稀少がん:軟部肉腫の1%、骨肉腫の4%
好発年齢:平均50才、やや男性に多い
好発部位:大腿42%, 上肢12-23%, 後腹膜8-17%
多くが深在性
【予後】
予後:不良(約半数が2-3yで死亡)
予後因子:腫瘍径 ≧ 5cm(単一報告のみ)
一般には高悪性度 → 80-90%で局所再発or遠隔転移
局所再発:術後中央値7m-1yで再発
遠隔転移:80%で転移(術後1m-4y) → 肺(81-100%)、皮下、肝臓、骨、リンパ節
画像所見
【単純X線】
・石灰化(粒状、砂状、雲状)を伴う軟部腫瘤
【CT】
・全体に均一〜限局性の石灰化、中心部に目立つ(ただし、石灰化が明らかでないものも)
・骨/骨膜に付着しない
【MRI】
・境界明瞭、分葉状腫瘤
・T1:筋肉と同等の低信号
・T2:出血・壊死を反映して非特異的
・不均一な造影増強効果
・石灰化 → T1/T2低信号域
骨外性骨肉腫 鑑別疾患 |
【悪性】
「肉腫」
− 未分化多形肉腫 → 非特異的
− 滑膜肉腫 → 点状、斑状の石灰化, 辺縁に多い
− 骨外性軟骨肉腫 → さまざまな石灰化
− 骨外性骨肉腫
【良性】
− 骨化性筋炎 → 辺縁主体の石灰化(リング状)
− 腫瘍状石灰化 → 高リン血症、慢性腎不全
結語 |
石灰化を伴った肉腫様の軟部腫瘤の場合、骨との連続性がない場合でも、非常に稀ではあるが骨外性骨肉腫の鑑別をする必要がある。
参考文献