第 390 回 東京レントゲンカンファレンス[2019年2月28日]
症例4 60歳代 男性: | X線写真で胸膜肥厚を指摘。精査のため施行されたFDG-PET/CT で、膵尾部に集積亢進を認めた。 |
膵神経鞘腫 schwannoma of the pancreas |
鑑別診断 |
・膵神経内分泌腫瘍
・膵内副脾由来の腫瘤
・Solid-pseudopapillary Neoplasm
・膵神経鞘腫
膵神経鞘腫 |
・膵実質内の交感神経系および副交感神経系から発生する場合と膵背側の後腹膜神経叢から発生する場合がある
・無症状は3割。1番多い症状は腹痛である。
・平均年齢 55.7歳
・男女差はほとんどなし
・平均サイズ 61o
・発生部位 膵頭部が多い(40%) 膵尾部は約9%
・悪性は約1割
Yuntong Ma et al:Pancreatic schwannoma:a case report and an updated 40-year review of the literature yielding 68 cases BMC Cancer(2017)17;853
【画像所見】
CT
境界明瞭
漸増性に造影される
MRI
T1WI低信号 T2WI高信号
大きくなると変性・壊死を生じて、内部不均一信号となる
AntoniA成分は造影効果を有する部分、AntoniB成分は造影効果の乏しい部分に相当する
Take Home Message |
・膵腫瘤の鑑別に神経鞘腫を頭の片隅に入れておく
参考文献