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東京レントゲンカンファレンス TOP症例一覧 第390回症例 症例:呈示
第 390 回 東京レントゲンカンファレンス[2019年2月28日]
症例5 30歳代 男性
平山病
Hirayama disease


CTミエログラフィー:中間位/前屈位
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 臨床・画像所見のまとめ

・比較的若年発症・緩徐進行性
・一側の上腕三頭筋、前腕斜め型の筋萎縮
・脊髄の高信号域・萎縮
・前屈位での脊髄後部硬膜の前方への偏位
・脊髄の前方への偏位・圧迫・扁平化


 鑑別疾患(脊髄にT2強調像で高信号域を認める病態)

・前脊髄動脈梗塞→両側性、急性
・脊髄性進行性筋萎縮症→両側性
・脊髄ヘルニア→脊髄の嵌入
・脊髄前角炎→急性
平山病(頚椎屈曲性脊髄症)→一側性、緩徐進行、前屈で所見増強
参考 エキスパートのための脊髄疾患のMRI第3版

 

 平山病(頚椎屈曲性脊髄症)

疫学
・14〜17歳が70%
・男性が90%以上
・非遺伝性
若年性一側上肢筋萎縮症(平山病)-発見からの半世紀 : 平山惠造 BRAIN and NERVE 60(1) : 17-29, 2008

臨床的特徴
・前腕斜め型筋脱力・萎縮
・自然経過でもいずれは進行が停止
・病態の悪化や停止時期の予測は不可
小児神経学と成人神経学に架かる橋 : 平山惠造  BRAIN and NERVE 68(6) : 647-654, 2016
画像所見
・C6椎体レベルを中心とした脊髄萎縮
・脊髄の前後径の短縮
・脊髄の高信号域(時に患側前角)
・患側優位の脊髄萎縮

・脊髄後部硬膜の前方移動
・脊髄圧迫・扁平化
エキスパートのための脊椎脊髄疾患のMRI 第3版(三輪書店) : 柳下章 他 885-890

 

 Take home message

若年者の一側性の斜め型筋萎縮では平山病(頚椎屈曲性脊髄症)を想起する。

 

 


参考文献

  • 平山病からみた頸膨大前角における体性機能局在 : 平山惠造 BRAIN and NERVE 68(5) : 531-537, 2016
  • 小児神経学と成人神経学に架かる橋 : 平山惠造 BRAIN and NERVE 68(6) : 647-654, 2016
  • 平山病(若年性一側上肢筋萎縮症): 平山惠造 脊椎脊髄 28 ?:402-409, 2015
  • 平山病 : 桑原聡 脊椎脊髄 30 ?:553-556, 2017
  • エキスパートのための脊椎脊髄疾患のMRI 第3版(三輪書店): 柳下章 他 885-890
  • 若年性一側上肢筋萎縮症(平山病)-発見からの半世紀 : 平山惠造 BRAIN and NERVE 60(1) : 17-29, 2008

 

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