膵癌の臍転移(Sister Mary Joseph nodule)
Umbilical metastasis from pancreatic cancer |
画像所見 |
腹部CT |
腹部造影CT(早期相) |
腹部造影CT(遅延相) |
腹部CT |
Findings
膵腫瘍:膵癌疑い
膵の嚢胞性腫瘤:IPMN疑い
臍の腫瘤:炎症?転移?
後日外来にて皮膚腫瘤に生検施行
HE(x 400)/CA19-9(x 400) |
病理診断:膵臓癌の皮膚転移
PET |
診断
膵臓癌の多臓器転移
皮膚転移 a.k.a Sister Mary Joseph’s nodule
治療:化学療法
before | after |
before | after |
before | after |
皮膚転移 Sister Mary Joseph’s nodule
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腹部領域の癌の1~3%
1928年にMayo医師が臍転移をはじめて報告。
その助手のSister Mary Josephが臍転移症例の予後に対し評価を行い、その業績を讃え1949年にBaileyが癌の臍転移をSister Mary Joseph noduleと命名。
原発巣は消化管(35-65%)が最多、特に胃癌、大腸癌が多い。さらに泌尿生殖器(12-35%)が続き、ほか肺、膵臓、乳癌など。サイズは0.5~15cmと報告される。
症状として疼痛、液体漏出が多い
臍に転移があっても全身状態は良好な症例が多い
鑑別診断として原発性臍腫瘍、臍ヘルニア、異所性子宮内膜症など
膵腫瘍と皮膚病変 |
膵腫瘍に伴った皮膚病変では、転移以外にも、皮下結節脂肪壊死 subcutaneous fat necrosisの報告がある。
特に膵腺房細胞癌 Acinar cell tumorに多いとされ、腫瘍由来のリパーゼが血中ないしリンパ系に流れ皮下脂肪を障害、壊死を起こす。
発赤、有痛性の皮下結節を下腿中心に認めることが多い。
Take home point
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臍腫瘤患者の画像検査では、予期せぬ癌に遭遇することがあるので読影時に注意しましょう
参考文献
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