リンパ腫様肉芽腫症
lymphomatoid granulomatosis |
画像所見 |
[T2WI sag/T1WI sag/T2WI axi C2 level]
・C1/2レベル
・髄内中心性に形状不整な腫瘤性病変
腫瘤性病変
T2WI
中心部;低信号(拡散強調画像低信号、非掲載)
出血?繊維化?
辺縁;高信号
T1WI ほぼ均一な低信号
腫瘤周囲
橋下部〜中位胸髄レベルに及ぶ著明な浮腫性変化
[Gd-T1WI sag/Gd-T1WI cor/Gd-T1WI axi]
・腫瘤辺縁優位に著明な造影増強効果
・髄軟膜に造影増強効果なし
・異常血管、拡張静脈はみられない
・両側肺、右側優位に境界明瞭、類円形の小結節
一部で内部に空洞を伴う |
経過 |
・神経症状の急速な悪化から呼吸機能停止に至る可能性も考えられたため、同日緊急手術が施行された。
・術中所見:脊髄表面は正常、後方より正中切開、すぐに硬い腫瘤を確認した。一部剥離困難にて腫瘍残存、亜全摘となった。
・術後に判明した血液検査所見:sIL-2R 967 抗EBNA-IgG(+) 抗VCA-IgG(+)
Lymphomatoid granulomatosis |
・稀な多発性リンパ増殖性疾患
・節外性、血管中心性、血管破壊性を特徴
・呼吸器及び皮膚病変が先行し、中枢神経病変はそれに追随する形で発症する報告が多い
・WHO分類でB細胞性の非ホジキンリンパ腫に属する
ー中心病態はEBVに感染し発症したB細胞性リンパ増殖性疾患と考えられている
ー再活性化T細胞主体でEBV陽性の異型B細胞が混在
ー病理像によってgrade 1-3に分類
年齢中央値:46歳(21- 74)
男女比:2.2:1
好発部位:肺(100%)、中枢神経(38%)、肝臓(19%)、皮膚(17%)、腎臓(15%)
Am J Surg Pathol. 2015 Feb;39(2):141-56.
・臨床症状
ー中枢神経症状が初発となるのは15〜20%、中枢神経症状は非特異的
ー全身性での症状は、発熱・体重減少、倦怠感、胸部症状、皮膚症状など
・治療法
ーステロイド、多剤化学療法、放射線治療との併用など
ーInterferon-αやrituximabでの奏効例の報告もある
・予後不良:生存平均期間は約2年余
結語 |
・中枢神経症状を契機に診断されたLymphomatoid granulomatosisの一例を経験した。
・多くの場合、多発肺結節を伴うが、予後不良な疾患であり、早期診断早期治療がのぞまれる。
参考文献
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