EGPAによる筋膜炎 fascitis due to eosinophilic granulomatosis with polyangiitis(EGPA) |
画像所見 |
下肢MRI STIR | |
・両側下腿の筋膜(→)や筋組織(→)に高信号。
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所見のまとめ
・好酸球増多症
・両下肢筋膜・筋組織にMRI STIR高信号:筋膜炎・筋炎
・心嚢液貯留:心膜炎
・副鼻腔炎
・喘息の既往
診断:好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)によるミオパチー
診断基準
1.主要臨床所見
@気管支喘息あるいはアレルギー性鼻炎
A好酸球増多症(白血球分画>10%)
B血管炎による症状
2.臨床所見
主要所見の@、Aが先行し、Bが発症する。
3.主要組織所見
@周囲組織に著明な好酸球浸潤を伴う細小血管の肉芽腫性又はフィブリノイド壊死性血管炎の存在
A血管外肉芽腫の存在
診断カテゴリー
Definite
a.1.主要臨床所見3項目を満たし、3.主要組織所見の1項目を満たす場合
b.1.主要臨床所見3項目を満たし、2.臨床経過の特徴を示した場合
@喘息、副鼻腔炎
A白血球の好酸球分画:46%
B下肢痛
EGPA |
・有病率は0.002%程度。発症年齢は55±14歳。
・MPO-ANCA陽性になるのは半分程度。
・Phases of disease
—Prodromal phase : 20-30代。アレルギー性鼻炎や喘息
—Eosinophilic phase : 好酸球増加や好酸球の臓器への浸潤。
—Vasculitic phase : prodromal phaseから10年後程度。
・90%以上の患者は呼吸器系の症状が見られる。
・筋骨格系の痛みはvasculitic phaseで40-50%の患者に見られる。
・肺病変がなく、下肢に病変を認めるケースは?
—呼吸器症状がないだけで、画像を撮影したら肺病変があった、というケースの報告はある。
EGPA・下肢の画像診断
・画像の特徴
—下肢のMRI画像の報告が見られない。
—STIRで筋膜・筋組織に高信号が見られた。
・臨床症状なしでは難しく、画像で筋炎・筋膜炎を疑う所見を認める場合は、臨床症状の確認が重要。
好酸球性筋膜炎 MRI STIR |
・筋膜主体に高信号が見られ、筋組織にはあまり異常信号は見られない。
・四肢の対称性の板状硬化が見られる:皮膚肥厚
・激しい運動や外傷後に発症する。
臨床経過
ステロイドパルス(500mg)を3日間、その後は40mgを使用し、症状改善した。
Take Home Message |
好酸球増多症での四肢筋炎・筋膜炎を見た場合には、喘息の既往・皮膚症状を確認する必要あり。
参考文献
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