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第 396 回 東京レントゲンカンファレンス[2019年11月28日]

症例5 60歳代 女性::腹痛、腹部膨満感、嘔気
GIST
gastrointestinal stromal tumor

 

 (メッケル憩室以外の)小腸の真性憩室

・小腸造影では、約2%に認められる
・80%が空腸、15%が回腸、両者が5%

  真性憩室 メッケル憩室
バウヒン弁からの距離 様々 40-50cm
位置 腸間膜の対側 腸間膜の対側
栄養血管 腸管と同じ 卵黄動脈の遺残

・炎症、出血、穿孔、通過障害、腫瘍(非常に稀、文献上の報告はGISTが数例のみ)
・メッケル憩室では、GISTの他、腺癌、カルチノイド、平滑筋腫など合併
Shoji M Surg Today,2013. 44:2180–2186

 

 GISTの画像診断

・発育形式から壁内発育型、管内発育型、管外発育型、混合型に分類
 —小腸では管外発育型が多い
・内部濃度は様々
 —小さいと均一だが、大きくなると壊死や出血を伴う
 —ときに石灰化
・5cm以上は悪性を示唆

 

 小腸憩室発生のGIST

小腸GISTが腸管内に穿孔? or 小腸憩室にGISTが発生?
→ 瘻孔部は壊死像はなく、正常粘膜上皮で被覆されていた
→ 小腸憩室のGISTの疑い
今井仁 Progress of Digestive Endoscopy,2014. 84:136-137

 

 結語

腹痛を契機に発見された小腸真性憩室由来GISTの稀な1例を経験した

 


参考文献

  • 今井仁 Progress of Digestive Endoscopy Vol. 84 No. 1(2014):136-137
  • Shoji M, et al. Surg Today 44(2014) :2180−2186.