結核性心膜炎、結核性脊椎炎 tuberculous pericarditis, tuberculous spondylitis |
画像所見 |
右肺上葉の気管支拡張、AVM疑い
心膜下の多房性嚢胞構造、軟部陰影
Th7椎体左側の骨外腫瘤形成、骨破壊
画像上の鑑別診断 |
・心嚢液貯留
心膜炎、腫瘍性/転移、自己免疫性、膠原病、外傷、心不全、肺高血圧など
・心嚢液貯留・軟部陰影+骨病変
腫瘍性/転移、リンパ腫、結核、サルコイドーシス
検査所見 |
【心嚢液検査】 | 【血液検査】 |
白色混濁、滲出性
細胞診Class2 ADA 382 U/l 結核菌PCR陽性 後に培養でも結核菌 |
IgG,A,M 異常高値なし
CEA 2.0 ng/ml CA19-9 2.3 U/ml HIV陰性 |
診断:
結核性心膜炎
結核性脊椎炎
➡ 抗結核薬(4剤併用療法)開始
検体検査
文献上での心嚢液検査感度4)5)6)
・結核菌塗抹陽性率 0 〜42%
・PCR 陽性率 15%
・培養陽性率 50%
いずれも低い
➡ 心嚢液検査で診断することも難しい
診断
いずれも特異的な所見なく
検体検査での診断も難しい
結核が否定できなければ、診断的治療として抗結核薬の投与が行われることもある
単純CT経過 |
1ヶ月後/ 2ヶ月後 / 4ヶ月後 |
骨病変経過 | ||
1ヶ月後 | 9ヶ月後 修復 | |
結語 |
・心嚢液貯留の鑑別の一つに結核性心膜炎があることを再認識した
・腫瘍、結核の鑑別は難しく、検体検査が陰性であってもいずれの疾患の可能性も念頭において画像診断を行う必要がある
参考文献
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