キャッスルマン病 Castleman's disease |
経過 |
・生検ではリンパ組織のみが検出され、確定診断がつかず手術の方針となった。
・多血性腫瘍であったため術中の出血予防のため、術前TAEの方針となった。
画像所見まとめ |
・比較的境界明瞭な多血性腫瘍
・内部に血管構造
・著明な拡散制限域
・多発する病変
Pre/Post |
病理診断:Hyaline Vascular type Unicentric Castleman’s Disease
Castleman’s Disease |
1.概要
キャッスルマン病は、リンパ節の病理組織像によって特徴づけられる多クローン性のリンパ増殖性疾患であるが、病変が1つの領域に限局する単中心性(限局型)と、複数の領域に広がる多中心性に分けられ、これらは臨床像や治療法が大きく異なる。
・多中心性キャッスルマン病のうち、ヒト・ヘルペスウイルス8型感染がみられない原因不明のものが特発性多中心性キャッスルマン病として明確に区別されて定義される。特発性多中心性キャッスルマン病は高インターロイキン6血症による発熱やリンパ節腫脹、貧血などの臨床症状を呈し、多くの場合、慢性の経過をとる。
2.原因
原因は不明で、発病の機構は解明されていない。
3.症状
リンパ節腫脹、肝脾腫、発熱、倦怠感、盗汗、貧血がみられ、ときに皮疹、浮腫、胸腹水、腎障害、間質性の肺病変、肺高血圧症、関節痛、脳梗塞などの血栓症、末梢神経障害、AAアミロイドーシス、拡張型心筋症、内分泌異常(甲状腺機能低下症など)などの多彩な症状を呈する。血液検査では、正〜小球性の貧血、多クローン性の高ガンマグロブリン血症、高CRP血症がみられる。多くの症例で血清アルカリホスファターゼ高値を示すが、LDHは正常〜低値のことが多い。高インターロイキン6血症がみられ、血漿中のVEGFも高値を示す。血小板は炎症を反映して増加していることが多いが、ときに免疫学的な機序による減少を認める。臨床経過は多くの場合、倦怠感、盗汗、貧血などで緩徐に発症し、年単位でゆっくりと進行する。一部に、発熱や浮腫などで急性ないし亜急性に発症し、急速に進行して重症化する例がある
【組織型】
・Hyaline vascular type
・Plasmacell type
・Mixed type
【リンパ節の分布】
・Unicentric Castleman disease(UCD)
・Multicentric Castleman disease(MCD)
鑑別診断 |
・神経原性腫瘍 パラガングリオーマ
・SFT(孤立性線維性腫瘍)
・デスモイド腫瘍
・悪性リンパ腫
Take Home Message |
・著明な拡散制限を伴った多血性腫瘍はCastleman’s Diseaseを考慮すべき
参考文献
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