孤立性線維性腫瘍 solitary fibrous tumor |
画像所見のまとめ |
・トルコ鞍内から右海綿静脈洞・蝶形骨洞に進展する占拠性病変
・CT:骨格筋と等吸収、境界明瞭
・T1強調像::灰白質より高信号
・造影(dynamic)T1強調像:早期増強効果、dural tail sign、下垂体柄の挙上・屈曲
・T2強調像::大部分は不均一な等〜低信号、一部が高信号
-低信号域(線維成分)と高信号域(細胞成分)のいずれにも増強効果を認める
-増強効果を示す高信号域→various cellular components (myxoid, relatively fresh fibrosis etc) が示唆される
鑑別疾患 |
・下垂体腺腫
・髄膜腫
・孤立性線維性腫瘍
・ Pituicytoma/Granular cell tumor/Spindle cell oncocytoma
右蝶形骨洞から生検
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病理組織診断結果
類円形核と淡明〜好酸性核を有する細胞が上皮様胞巣を形成して増殖
血管周囲のロゼット様構造
ごく少数の核分裂像
異型細胞にSTAT6(+), CD34(-),EMA(-),S100(-)
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トルコ鞍部発生の孤立性線維性腫瘍
孤立性線維性腫瘍の疫学と臨床 |
・間葉系細胞由来の spindle cell neoplasm
・線維芽細胞様細胞からなる間葉系腫瘍
・発生部位:胸膜原発が多いが、全身のどこにでも発生しうる
・良性が80%、悪性が20%
・治療は原則的に外科的摘出術
孤立性線維性腫瘍の画像と病理 |
・線維成分、細胞成分が混在
・悪性SFTでは辺縁不明瞭、周囲組織浸潤、壊死を認めることがある
・光顕的には紡錘形細胞の増殖を主体とし、紡錘形細胞と膠原線維が不規則な配列をとるpatternless patternが特徴的
・STAT6が感度・特異度ともに最も高い
→NAB2-STAT6融合遺伝子がSFTのdriver変異
→抗STAT6抗体による免疫染色が診断に有用
類円形・境界明瞭で筋と等吸収、石灰化や脂肪成分の含有はまれ
MRI
T1強調像:灰白質と比較して等信号〜高信号
T2強調像:T2強調像 にて“black-and-white mixed” appearance (yin-yang sign陽性)
線維成分による低信号域と細胞成分による高信号域の混在
造影(dynamic)T1強調像:
線維成分が主体の部分 → 漸増性増強効果
細胞成分が豊富な部分 → 早期濃染と後期相での洗い出し
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陰陽パターン |
AJNR 2013 May;34(5):1067-71
AJR 2012 Oct;199(4)
参考文献
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