第 405 回 東京レントゲンカンファレンス[2023年12月21日]
症例1 40歳代 男性:頭痛、鼻閉感 |
上咽頭癌 epipharynx carcinoma |
斜台部腫瘍の鑑別 |
斜台から発生する腫瘍
・脊索腫 chordoma
・Ecchordosis physaliphora
・軟骨肉腫 chondrosarcoma
・形質細胞腫 plasmacytoma
・骨転移 metastasis
頭蓋内から浸潤する腫瘍
・髄膜腫 meningioma
・下垂体神経内分泌腫瘍 PitNET
上咽頭側から浸潤する腫瘍
・上咽頭癌 nasopharyngeal carcinoma
・腺様嚢胞癌 adenoid cystic carcinoma
上咽頭癌の主な進展経路 |
・側方進展:傍咽頭間隙(T2) →Morgagni洞を介した浸潤に注目する
・上方進展:頭蓋底(T3)・頭蓋内(T4) →破裂孔を介した浸潤に注目する
・神経周囲進展
・下方進展:中咽頭
・前方進展:鼻腔・副鼻腔・眼窩
・後方進展:椎前筋・頸椎
Take home message |
・斜台部腫瘍の鑑別は、斜台に発生する腫瘍のみならず、
腫瘍の浸潤範囲により頭蓋内や上咽頭由来の浸潤性腫瘍も考慮するべきである。
・上咽頭癌の進展様式のうち、側方浸潤と上方浸潤の評価は特に重要である。
参考文献