カルチノイド腫瘍 carcinoid tumor |
画像 |
低信号の充実部分 T2WI (axial)/T2WI (sagittal) |
拡散制限あり DWI(b=1000)/ADC map |
多血性腫瘍 pre/動脈相/後期相 |
肉眼所見 |
病理所見 |
上段:HE染色 下段:免疫染色 |
最終診断
純粋型卵巣原発カルチノイド(PPOCT : Pure primary ovary carcinoid tumor)
卵巣カルチノイド |
・卵巣カルチノイドは全卵巣腫瘍の0.5-1.7%である。
・病理組織学的に甲状腺腫性、島状、索状、粘液性に亜分類される。
・閉経後女性に好発する。
・成熟嚢胞奇形腫との合併例が多く(約76%)、他にも粘液性腫瘍やブレンナー腫瘍と合併することがある。
・卵巣カルチノイドは症例数が少なく、画像所見に関する報告が少なく、腫瘍マーカーの上昇もないため術前診断が困難とされる。
カルチノイド症候群 |
・発汗、皮膚紅潮、発熱、下痢など
・島状カルチノイドの約30%に見られる
・本邦では甲状腺腫性カルチノイドが最多であるため、カルチノイド症候群は稀とされる
・組織型が索状/甲状腺腫性の場合、Peptide YYを産生し、頑固な便秘を呈することがある → 新カルチノイド症候群
画像所見 |
・片側性
・Solid mass、もしくはmultilocular cystic mass
・MRI T2WIで低信号を呈する
・拡散強調像で高信号、ADC mapで低信号を呈する
・多血性腫瘍
鑑別診断 |
・顆粒膜細胞腫
・Brenner腫瘍
・嚢胞腺線維腫
・転移性卵巣腫瘍
・粘液性癌
Take Home Message |
・T2WI低信号、拡散制限、多血性を呈する充実部分を認めたら、卵巣カルチノイドの可能性を考慮する。
・カルチノイド症候群や、新カルチノイド症候群は、診断の一助となる。
参考文献
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