第 407 回 東京レントゲンカンファレンス[2024年2月22日]
| 症例1 30歳代 女性:頭痛、複視、左眼瞼下垂 |
| NUT癌 NUT(nuclear protein of the testis)midline carcinoma(NMC) |
| NUT癌について |
・NUT: nuclear protein of the testisの略
・かつてはNUT midline carcinomaと呼称されたが、正中線に関係ない場所からも認めるため、NUT carcinomaと改名された
・WHO分類第4版(2017)でHead and Neck Tumoursに収載
・4割が頭頚部、 5割が胸部に生じる
・若年層での報告が多く、男女差はほぼない
・悪性度が高く非常に進行が早い
・一般的に化学療法を行うが治療抵抗性で、極めて予後不良
・染色体15q14上のNUT遺伝子の転座により形成されるBRD-NUT融合遺伝子を認める
・異型細胞のシート状増殖からなる病理像を呈し、疾患特徴的な組織像はない
・扁平上皮分化を示す角化細胞、小細胞癌に類似した細胞形態もある
・診断にはNUT抗体の免疫染色や遺伝子検査が必要
| NUT癌の画像所見 |
・CT:低濃度な浸潤性発育を示す腫瘤、壊死や不明瞭な辺縁とともに不均一な造影増強効果
・MRI:T1WIで低信号、T2WIで不均一な高信号。不均一な造影増強効果を示し、壊死を反映した造影増強効果に乏しい領域も多い
・PET:高度なFDG集積で、壊死部の集積は低い
・骨破壊をきたし、広範囲に浸潤する
・リンパ節転移は比較的少ない
・進行が早く、多臓器転移を認めることもある
| 結語 |
・鼻副鼻腔原発と考えられるNUT癌の症例を経験した
・NUT癌は比較的若年者に発症し、進行が速く悪性度が高い
・術前診断は難しいが、経過とあわせた画像評価で、鑑別診断に挙げられる可能性がある
参考文献