●症例 8 10代女性

●画像所見と鑑別診断

・画像所見
 ・右側頭-後頭葉、視床
  ・白質・灰白質にまたがりmass effect を持つT1WIで低信号,T2WIで高信号の病変。動脈支配域とは一致しない.

・鑑別診断
 ・Herpes simplex encephalitis (HSE)
 ・Viral encephalopathy
 ・Dural sinus thrombosis
 ・Posterior reversible encephalopathy
 ・MELAS
 ・Malignant lymphoma

・診断のポイント
●画像所見
 ・両側後頭-頭頂葉、両側小脳半球
  ・同様の病変があるが、既に萎縮している。
  ・左側脳室後角拡大を伴う
  → 新旧の病変が混在?
●鑑別診断
 ・Single episode からなる疾患は否定される?

隠された病歴
・3年前、強直間代性痙攣にて近医に救急搬送。重積状態となったが抗てんかん薬でcontrolされていた。この頃のMRでは異常を認めなかった。6ヶ月後の再発作より難治性となり、たびたび発作を繰り返していた。この時、髄液中の乳酸値の上昇が確認された。
・今回のepisodeの6ヶ月前にも発熱・頭痛痙攣にて入院し、右同名半盲・錐体路症状出現したが治療により寛解し退院したばかりであった。

初発より1年後のMRI

1H-MRS

 
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moderator : 田中優美子



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