症例1 40歳代 男性

確定(最終)診断:
spontaneous intracranial hypotension

低髄圧症候群
・立位や座位で増悪し,臥位で改善する起立性頭痛*を特徴的な臨床症状とする疾患
・悪心・嘔吐を伴うことが多く,脳神経障害(外転神経麻痺・聴覚障害)や意識障害が生じることもある.
 *起立性頭痛(International Headache Society定義):起立すると15分以内に生じるか増悪し,横位になると30分以内に消失もしくは軽快する頭痛

検査所見
・随圧の低下:初圧< 60mmH2O (正常:70〜180mmH2O)

頭痛の機序
脳を支持する脳脊髄液が起立時に脊柱管側へ移動するため,脳の位置ずれや疼痛を感じる構造物が牽引もしくは圧迫される

低髄圧の原因
 1. 脳脊髄液産生の低下
 2. 脳脊髄液吸収の促進
 3. 脳脊髄液の硬膜外漏出

Monro-Kellie仮説:頭蓋-脊柱管の容積はほぼ一定=脳神経+脳脊髄液+脈管

 
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 moderator : 森  墾



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