症例 6:30歳代、女性

診断:Pendred syndrome
診断のポイント
・Hypothyroidism
・Goiter
・Sensorineural deafness
・Perchlorate discharge test positive
 
Pendred症候群
難聴、ペルオキシダーゼによるヨード有機化障害に伴う甲状腺機能低下、甲状腺腫を特徴とする疾患である。PDS遺伝子がその原因遺伝子として報告されている。家族性に前庭水管拡張症と難聴を伴った症例が見られ、常染色体劣性遺伝子が関係しているのではないかと言われていたが、7番染色体に前庭水管拡張を伴った非症候性難聴の原因遺伝子が存在することが分かった。
 

Perchlorate discharge test
正常ではヨードの有機化は迅速であり、過塩素酸イオンのtrappingにより甲状腺から放射性ヨードが放出される事はない。ヨード有機化障害があるとヨードのtrappingは増加し、有機化されていないヨードが甲状腺の中に増加する。このとき過塩素酸カリウムを投与すると過塩素酸イオンがヨードと競合する結果、有機化されていないヨードが甲状腺外に放出される。

123I摂取率3時間値を測定後、過塩素酸カリウム1gを経口投与し、その後1時間後に123I摂取率が、123Iが放出されるために10%以上低下していれば有機化障害と診断できる。

 
●症例提示のページへ

moderator : 薄井 庸孝


●第276 回レントゲンカンファレンスのページへ戻る
●東京レントゲンカンファレンス掲載目次のページへ戻る