気管支嚢胞
・全縦隔腫瘍の約6%
・縦隔嚢腫(胸腺嚢腫・心膜嚢腫・前腸嚢腫・類皮嚢腫・嚢胞状リンパ管腫・副甲状腺嚢腫・・)の約34%
・好発部位:中縦隔・後縦隔 時に前縦隔・後腹膜
・男:女=2:1
・ 症状:無症状が多い。
→しかし、時には増大し、周囲の血管や気管支を圧排・閉塞、出血、感染、悪性化(稀)する。
<発生機序>
胎生3週以後に原始前腸より気道系と食道系に分離形成される際、前腸や肺芽の異常増殖や憩室形成が起こり、これが分離し、3胞を形成することにより発生。
胸腺が胸腔内に下降した後、前方に遊走した気管支性 胞が迷入したと考えられている。
胸腺内気管支嚢胞
・報告例 12例 (1991年日下ら〜2000年谷村ら)
・年齢 20歳〜86歳、平均59歳
・性別 男5、女4
・動機 検診7、他疾患2 (筋無力症、大動脈瘤)
・部位 正中4、左3、右1
・大きさ 1〜10cm、平均4.5cm
・形状 単房性7、分葉状1
・術前診断 胸腺腫4、胸腺嚢胞3、奇形腫2
まとめ
比較的まれな胸腺内分葉状気管支嚢胞の1例を経験した。
前縦隔内の多房性、一部充実性成分を含んだ嚢胞性病変であっても、気管支嚢胞の可能性がある。
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