第303回 東京レントゲンカンファレンス
2008年03月27日開催

症例7 30歳代 男性
  • 主 訴 言葉が出ない
  • 既往歴 腸閉塞(3年前)
  • 家族歴 特記事項なし
  • 現病歴 昨夕より言葉が少なくなり、今朝にはぼーっとした感じで問いかけにも反応が少なく、発語もなくなったため、当院来院。
  • 生活歴 喫煙・飲酒:なし、職業:建設業勤務
    • バイタル:血圧140/90mmHg、脈拍84回/分、呼吸20回/分、体温37.1度
    • JCS I -3
    • 身体所見:特記事項なし
    • 神経学的所見:全失語、右顔面神経麻痺あり、右上肢軽度麻痺あり、その他異常なし、項部硬直なし
      血液検査:WBC8,900/μl、Hb15.4g/dl、Plt22.2万/μl、CRP0.29mg/dl、肝腎機能・電解質など異常なし
    • 髄液所見:細胞数0、赤血球数0、糖78mg/dl(血糖92)、蛋白30mg/dl 

画像所見のまとめ

  • T2強調像、FLAIR像にて左前頭葉を主体として、脳梁下部から白質に沿って放射状に広がる高信号を認める(FLAIR矢状断像でよくわかる)。
  • 造影後はT2強調像と同様の非常に淡い増強効果を認める。
  • 拡散強調像ではT2強調像高信号域と一致し、高信号を呈し、拡散低下を認める。

  

 

上:GdT1WI 下:2週間後

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Moderator:木村 有喜男