手術記録
・「膵頭十二指腸切除を予定していたが、術中に虫垂癌の十二指腸浸潤と判明し、
十二指腸楔状切除+回盲部切除に変更」
⇒ 術前に可能性を十分伝えるべきであった
虫垂癌について
・消化管悪性腫瘍の0.5%以下と言われている
・虫垂に発生する腫瘍の90%は Carcinoid
・病理組織型は
Mucinous type (55%) 腹膜偽粘液腫のかたちをとることも多い
Colonic type (45%) であったという報告あり(n=94)
・重複癌・異時性癌が多い
・治療は右半結腸切除が標準的
・高齢者の急性虫垂炎・穿孔後膿瘍として発症することが多い
「虫垂癌」を検索すると
・巨大化して膀胱・卵巣・子宮・腸腰筋・小腸などへ浸潤したとの報告が多い印象
・腹膜偽粘液腫・急性虫垂炎の原因疾患としての報告も多い
・十二指腸浸潤は一例のみ検索し得た
結語
・十二指腸浸潤を来した虫垂癌という稀な病態を経験した
・術前診断として鑑別に虫垂原発の悪性腫瘍をあげ、外科医に注意を促すべきであった