キャスルマンリンパ腫 |
画像所見 |
単純CT/dynamicCT 動脈優位相/dynamicCT 平衡相 |
1.粗大石灰化を伴う境界明瞭な腫瘍 |
冠状断像 |
鑑別診断
hypervascular tumor
・castleman disease hyaline vascular type(腹部、骨盤内発生のものは石灰化が約30〜50%)
・GIST(石灰化は約3%)
・paraganglioma(有症状例では20%に石灰化を伴う、粗大な石灰化は少ない)
・carcinoid(高率に石灰化を伴う)
・leiomyosarcoma(castleman diseaseほどはhypervascularではない)
tuberculosis of mesentery
肉眼所見 |
1.46×38×34mm大 2.辺縁平滑、灰白色調 3.中心部では石灰化が目立つ 4.一部に被膜の形成 |
組織学的所見 | ||
1.濾胞樹状細胞が同心円状に蜜に増生 2.胚中心は萎縮性 3.小血管の増生、高度の硝子化 |
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HE染色 | CD21免疫染色 |
Castleman disease
・1954年にCastlemanらによって最初に報告された原因不明のリンパ増殖性疾患
・好発年齢:10〜40歳代
・性差はない
・発生部位:胸部45%、頭頸部25%、後腹膜11%、多発性5%
・腹腔内原発は2〜10%、大網原発は非常に稀
病理組織学的に
・hyaline vascular type …リンパ濾胞内外の血管増生と硝子化・胚中心の萎縮を伴う
・plasma cell type …大型の胚中心を持つ濾胞細胞と成熟した形質細胞の増生を特徴とする
・mixed type …両者の混在
・hyaline vascular type…大部分が限局性⇒unicentric castleman disease(UCD)
・plasma cell type … 40%で病変が多発⇒multicentric castleman disease(MCD)
・hyaline vascular type …単発性、無症状で、検査データに異常がみられず、偶然発見されることが多い
・plasma cell type …炎症反応の上昇、貧血、高γグロブリン血症、発熱、全身倦怠感などがみられることがある
・Interleukin-6の過剰産生が指摘され、全身症状や検査値異常がIL-6に起因すると考えられている
画像所見(hyaline vascular type)
・CT・・・境界明瞭で内部均一なhypervascular tumor、約30〜50%に石灰化を伴う
・MRI・・・T1WIで低信号、T2WIで高信号を示すことが多い
・血管造影・・・拡張した栄養動脈と強い腫瘍濃染像を示す
治療(hyaline vascular type)
・外科的切除が第一選択
・良性疾患であることから、できるだけ侵襲性の低い腹腔鏡下手術を選択すべき
・出血のコントロールが重要
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