悪性リンパ腫(卵巣) |
骨盤MRI | |||
T2WI | |||
T2WI | |||
DWI | Gd T1WIFS | ||
画像所見のまとめ
・下腹部〜骨盤を占める充実性成分に富む腫瘤
T2やや短縮〜延長、不均一に増強、拡散低下
腫瘤辺縁部分に正常卵胞と思われる小嚢胞
傍大動脈リンパ節腫大
・多量の腹水貯留
追加検査
・sIL-2 R 12984 U/ml
・腹水穿刺 Class V
・腹水cell block採取
腹水 cell block |
H.E.(弱拡)/H.E.(強拡)/CD20 |
卵巣の悪性リンパ腫Malignant lymphoma of the ovary
・頻度は稀
卵巣腫瘍、悪性リンパ腫の各々1%未満*
*リンパ腫の二次性卵巣浸潤は除く。卵巣原発の悪性リンパ腫は、他のリンパ腫に比べて予後良好。
・若年者〜高齢者まで発症
・殆どがB細胞型
Burkitt型が最も多く、びまん性大細胞型がこれに次ぐ
・
卵巣癌が疑われ、開腹術後に確診されることもしばしば
卵巣癌と悪性リンパ腫の治療方針は異なり、早期診断が重要
画像所見
・主として充実性成分から成る
・T2強調像で比較的低信号
細胞外液が少ない
・拡散低下
細胞密度が高い
・病変辺縁部に正常卵胞が温存されている
正常構造を保ったまま発育する
本症例は、卵巣悪性リンパ腫に典型的な画像所見であった。
鑑別診断
・未分化胚細胞腫
若年者発症
腫瘤内部の線維血管隔壁
T2強調像で比較的高信号
本症例で除外することは可能
本症例の経過 | ||
治療前 | 化学療法後(R-CHOP 1クール) |
まとめ
・卵巣の悪性リンパ腫は、他の卵巣悪性腫瘍と治療方針が異なり、早期診断が重要。
画像診断の果たす役割は大きい
卵巣悪性リンパ腫の特徴的な画像所見
・T2強調像で比較的低信号の充実性腫瘤
・辺縁に正常卵胞が温存
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