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第317回東京レントゲンカンファレンス
2009年11月26日
症例5 20歳代 男性  〜南アジアからの留学生〜
   

結核性腹膜炎
tuberculous peritonitis

 


画像所見のまとめ   
・肺の炎症後変化
・中等量の腹水
・大網や腸間膜に多発する結節性病変
・一部は中心部壊死


経過
・諸検査で結核菌同定できず
・確定診断のため、腹腔鏡下生検施行
   腹膜には粟粒大、黄白色の小結節が多数、びまん性に散在していた。
   大網と肝円索の一部を切除した。
・病理
   Langhans 巨細胞を伴う肉芽腫性炎症。

治療
抗結核薬にて症状改善

結核性腹膜炎
・全結核の0.04%〜0.6%
・好発年齢:20〜40歳 (男女比2:3)
・症状:腹痛・下痢・発熱・腹部膨満・全身倦怠感など様々
・病態:初期病巣から血行性・リンパ行性に播種し、潜在性病巣となったものが再燃
・腹水中のADA・CA125が高値を示す
・診断:結核菌もしくは結核に特有な乾酪性肉芽腫を証明する必要がある
・腹水の結核菌陽性率は約3%
・PCRによる検出も20〜50%程度

鑑別診断
・癌性腹膜炎
・悪性リンパ腫
・腹膜中皮腫


 

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Moderator: 原田 明典