casetop
東京レントゲンカンファレンス TOP症例一覧 第318回症例 症例5:呈示 ≫ 症例5:診断と解説
第318回東京レントゲンカンファレンス
2010年1月28日
症例5 50歳代 女性
   

食道壁内偽性憩室、カンジダ食道炎
Intramural Pseudodiverticulosis,candida esophagitis

 


画像所見のまとめ
【CT検査】
胸部上部食道内に異物と思われる高吸収構造物を認め、この高吸収構造物より遠位の食道壁は全周性に肥厚している。

【上部消化管造影】
CTにて食道壁肥厚を認めた領域に一致して、胸部上部食道粘膜の粗造と内腔の狭小化を認め、炎症性変化が示唆される。
また、食道の水平軸に沿って、外方へ突出する極小さなフラスコ状の構造物を多数認める。

【上部消化管内視鏡検査】
栗と思われる白色物を認める。食道粘膜はびらん性変化を呈しており、白苔を伴っている。一部に深掘れ潰瘍を認める。

  

上部消化管造影
消化管


Intramural Pseudodiverticulosis
●食道壁内偽性憩室
●原因:炎症,腺管周囲の線維化や開口部の圧排による粘液腺分泌導管の嚢状拡張
●随伴する疾患
   逆流性食道炎
   カンジダ食道炎
   慢性アルコール中毒
●画像所見
  ・胸部食道によく見られる、1〜4mm大
  ・食道の水平軸に沿って平行に散在し、内部にバリウムの貯留を認める

カンジダ食道炎
●感染性食道炎で最も一般的
●日和見感染
 免疫抑制;AIDSなど
  糖尿病
  ステロイド 化学療法、放射線療法
  健常人でもまれにおこる
●症状;嚥下困難、嚥下痛
●好発部位;上部食道
●画像所見(食道造影)
  ・plaque-like lesion;大きなものは癒合してcobblestone appearance
  ・shaggy outline

 
≪≪症例提示へ戻る
Moderator: 森本 毅