低髄液圧症候群 |
本症例の画像所見
・両側性硬膜下液体貯留
・クモ膜下腔の狭小化・高吸収域
・脳幹周囲の脳槽の不明瞭化
・脳室の狭小化
・皮質静脈の拡張
くも膜下血腫 | ||
SAH |
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??? |
外傷性くも膜下血腫 | ||
外傷性くも膜下血腫 |
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??? |
両側慢性硬膜下血腫 | ||
慢性硬膜下血腫 |
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??? |
鑑別のポイント ・脳幹周囲脳槽の不明瞭 |
低髄液圧症候群
【低髄液圧】
・特発性
・外傷後
腰椎穿刺や開頭術脊椎手術後、外傷後の脳脊髄液漏出、髄液シャント術後の過剰吸引に続発する場合も
【症状】
立位坐位になると増強し横になると軽快する頭痛
【治療】
・保存的、安静
・硬膜外腔への自己血注入(blood patch)
Monro-Kellieの法則
【頭蓋内容積は一定】
・脳組織容量、血管(血液量)、髄液
・Vbrain + Vblood +VCSF = 一定
【髄液圧減少を髄液以外(血液量)で代償】
・末梢の静脈の拡張
・硬膜下水腫
画像診断の役割 【低髄液圧症候群の診断】 ・MRI 【髄液漏出の診断】 ・MRI(MR myelography) ・CT myelography ・RI cisternography(111-I DTPA) |
MR画像所見 |
【低髄液圧症候群の診断】 ・比較的左右対称で均一な硬膜下液体貯留の分布。正常の脳脊髄液の信号と異なる。 ・硬膜の造影増強効果 |
出題症例のその後の経過 ・頸椎C1/2レベルでの髄液漏出が確認され、Blood patch(12ml)施行 ・現在症状消失 |
MRI:低髄液圧の診断 ・硬膜造影増強効果、肥厚 ・硬膜下水腫様所見、硬膜下腔の拡大 → ときに硬膜下血腫 ・静脈の拡張 ・小脳扁桃下垂、脳幹の扁平化 ・下垂体の腫大、鞍上槽の消失 ・典型的な臨床症状 → 臨床症状がしっかりしていないときも 頭痛精査目的のCT検査では低髄液圧症候群に配慮を |
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