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第327回東京レントゲンカンファレンス
2011年2月24日
症例5 70歳代 女性
   

腎細胞癌 膵転移
pancreatic metastasis from renal cell carcinoma


【画像所見】
・膵体部に26mm大の腫瘤を認める。
・境界は概ね明瞭、強い増強効果をもつ。
・MRIのT1WIで肝と同程度の低信号:T2WIで筋よりも高信号/拡散強調像で高信号を示す
・Gd Dynamic造影にて早期より濃染を示す。
・主膵管の拡張や狭窄は見られない。
・左腎切除後、胃切後。
・胆石


【画像診断】
腎細胞癌の転移 or 多血性腫瘍として膵内分泌腫瘍


【その他鑑別】
>嚢胞性腫瘍の充実variantとして
・solid&Papillary tumor(mainは若年)
・漿液性嚢胞腺腫



20余年を経て発見された腎細胞癌の膵転移 Renal Cell Carcinoma metastasis to the pancreas

腎細胞癌の転移
・血行性転移としては肺・肝・骨が3大部位だが膵のほか腸管、皮膚、筋内、甲状腺etc場所を選ばない
・切除後10年前後の報告が多い。
・膵内転移性腫瘍の最多が腎細胞癌(30~50%といわれる)
・他、肺癌、乳癌(他臓器に多発傾向がある)、大腸癌
・悪性黒色腫(さらに多発傾向)
・まれ:肝細胞癌など

 

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Moderator:住田 薫、天羽 健、淺井 佐江、吉田 英夫