乳癌の眼窩転移 orbital metastasis |
鑑別診断 |
●眼窩筋円錐内外にまたがる腫瘤
1)悪性リンパ腫
2)特発性眼窩炎症(炎症性偽腫瘍)
3)IgG4関連硬化性疾患
4)肉芽腫性疾患
5)転移性腫瘍 など
●眼球陥凹を呈する腫瘤性病変
・稀
・硬癌で見られる
……線維化の強い癌で線維芽細胞が収縮することにより眼球は後方に牽引される。乳癌や胃癌の転移性病変に特徴的。
眼窩転移(Orbital metastasis) |
・眼転移の分類:
1)眼内(ぶどう膜、とくに脈絡膜)
2)眼窩(骨を含む)
・眼窩転移の頻度:全眼窩疾患の約1.5〜3.3%、全眼窩悪性腫瘍の約8.5〜18%
・原発巣:
1)成人女性:乳腺、肺、消化管、など
2)成人男性:肺、消化管、前立腺、など
3)小児:神経芽細胞腫、Ewing肉腫、Wilms腫瘍、など
・転移形態:血行性
・症状:複視・眼球運動制限、視力低下、通常は眼球突出、など
・予後:不良
・治療:放射線照射(30〜40Gy)
・画像所見:
筋円錐外、びまん性・浸潤性が多い。筋円錐内外や外眼筋にもあり。孤立性腫瘤もあり。非特異的な吸収値や信号強度。
乳癌術後の眼転移 |
・頻度:0.2%:乳癌罹患の増加に伴う増加が予想される
1)眼内:80%
2)眼窩 :20%
・手術から転移までの期間:20〜40カ月に多い(平均約3年2カ月)
・眼転移出現後の予後:平均約1年
参考文献
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