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第 335 回 東京レントゲンカンファレンス[2012年4月26日]
症例5 60歳代 女性 : 左腰背部膨隆 
 上腰ヘルニア
 superior lumbar hernia

 

 上腰三角

頭側:第12肋骨+下後鋸筋下縁
正中側:脊柱起立筋+腰方形筋
外側:内腹斜筋後縁
Grynfelt-Lesshaft Triangle

Cf.下腰三角
上後縁:広背筋下縁
前縁:外腹斜筋後縁
下縁:腸骨稜
Petite’s triangle

 

 上腰ヘルニア

・11-95歳、平均70.2歳
・男女比: 23:31
・左37例、右14例、両側3例 (肝臓の存在)
・ヘルニア内容:脂肪のみ31例、大腸18例、小腸4例、腎臓2例
・90%が後天的要因(特発性:肥満、るいそう、神経筋疾患、重労働 外傷性:転落、事故、腎臓摘出術)
・直接縫合26例、人工材料使用31例

 

 Take Home Points 上腰ヘルニア

・高齢者に多い無症状の(左)肋骨弓下の腫瘤
・第12肋骨の下方、広背筋の深部、腹横筋腱膜にヘルニア門
・内容:脂肪のみ、または大腸など
・脂肪腫との鑑別

 

参考文献
・ 日臨外会誌69(12),3304―3308,2008
・ 日臨外会誌71(2),564―568,2010


 

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