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第 336 回 東京レントゲンカンファレンス[2012年5月24日]
症例2 60歳代 男性 : 右季肋部痛、背部痛
 両側性副腎原発悪性リンパ腫
 bilateral adrenal malignant lymphoma

 

 両側副腎腫瘤の鑑別

・転移
・悪性リンパ腫
・褐色細胞腫
・過形成
・出血
・感染症(ヒストプラズマ/結核)

 

 副腎原発悪性リンパ腫

【特徴】
・節外性悪性リンパ腫のうち3%。
・男性、高齢者が多い。
・両側性の割合が多い(80%)。
・B cell type が多くを占め、
・Diffuse large B-cell lymphoma が最多。
・発熱、体重減少、腰背部痛の症状を伴う。
・約50%で副腎機能不全を認める。

【CT、MRI】
・大きさは長径6.1-14.8 cm、中央値 10.5 cm
・円形、扁平、境界明瞭なものが多い
・CT では吸収値は26-43HU、中央値35HU
・MRI ではT1WI は低〜等信号、T2WI では高信号
・造影効果はslightly〜moderate、均一〜やや不均一(大きさの割に変性が少ない)

【FDG-PET】
・良悪性の鑑別に有用とされている (感度89-100%、特異度80-94%)。
・staging、治療効果判定、再発の有無の評価に有用。


 副腎原発悪性リンパ腫:まとめ

・比較的大きく、両側性であることが多い。
・MRIT2WI にて高信号を示す。
・サイズの割りに変性が少なく、均一な信号/吸収値を呈する。
・副腎髄質、皮質腫瘍との鑑別にはシンチグラムが有用。
・FDG-PET で強い集積を示す。良悪性の鑑別や他の病変の検出に有用。

 

参考文献
・Clin Nucl Med 2005;30:222−230
・European Journal of Radiology 2012;81:401-405
・Ann Nucl Med 2009;23:349−354
・Clin Nucl Med 2005;30:222−230

 

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