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第 336 回 東京レントゲンカンファレンス[2012年5月24日]
症例3 40歳代 男性 :  ドックの腹部超音波検査で肝腫瘤(血管腫疑い)を指摘され、前年より増大傾向を認めたため精査受診
 肝血管筋脂肪腫
 angiomyolipoma of the liver

 

【脂肪の少ない肝血管筋脂肪腫】

 読影ポイント

背景は正常肝、腫瘍マーカー正常、経時的増大、hypervascular tumor、被膜無し、脂肪成分は検出できず
肝動脈相で内部に太い血管様濃染、早期静脈還流

 

 鑑別診断

・FNH
・HA
・HCC
・CoCC

 

 肝血管筋脂肪腫

・肝良性腫瘍
有名な割に、頻度は稀
・男女比 1:2.6
・平均年齢 50.8 歳
・無症状のことが多く、約半数が健康診断時や他疾患の検査時に偶発的に発見される。
画像診断が難しく、手術がおこなわれることが多い

血管、平滑筋細胞、脂肪により構成され、各成分の割合により多種の組織型に分類。

a. 通常型:3 つの成分がいずれも20%以上
b. 1 つの成分が80%以上:血管腫型、脂肪腫型、筋腫型
ほとんどすべてが平滑筋成分のPEComa (Perivascular epithelioid cell)
c. 2 つが20%以上、1 つは20%以下
血管筋腫型、筋血管腫型、脂肪筋腫型、筋脂肪腫型、血管脂肪腫型、脂肪血管腫型



増大したり縮小したり、経時的に成分の割合が変化したり
組織型により画像はまちまち!
肝は筋腫型が多い
腎のAMLと異なり脂肪成分が少ないものが多い!

 

参考文献
Yosimura H Abdom Imaging 27: 184-187(2002)
Xiao W Abdom Imaging 35: 203-207(2010)


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