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第 339 回 東京レントゲンカンファレンス[2012年10月25日]
症例2 30歳代 男性 : 閉塞性黄疸疑いにて精査
腹部結核性リンパ節炎による閉塞性黄疸
tuberculous lymphadenitis

 

 結核性リンパ節炎

・頸部が最も多いが、鼠径・腋窩・腹部・縦隔・乳房内リンパ節などでの報告がある。
・20-40代に多い
・肺外結核では腹部が多く、腹部の結核感染としては結核性リンパ節炎が最多(腹部結核の40-70%)
★腹部では膵周囲と腸間膜のリンパ節に好発 ← 小腸や回盲部からのリンパ流が関与している

 

閉塞性黄疸を来す原因
1.膵頭部への結核感染
2.リンパ節そのものの圧迫とリンパ節炎の炎症が下部胆管に波及する
3.内部壊死した炎症性リンパ節が胆管に穿破
4.胆管への結核感染

ERCP施行例では胆管の狭窄がsmoothであった。

 

 Take home points

・腹部での結核は、リンパ節炎が最多である。
・膵頭部周囲の壊死を伴うリンパ節腫大では結核を疑う。
・同リンパ節腫大は閉塞性黄疸の原因となり得る
・安易に手術せず、FNAによる診断が可能である。

 

参考文献
・Radiology 1985;157:199-204
・World J Gastroenterol2008;14:3090-100


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