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第 340 回 東京レントゲンカンファレンス[2012年11月22日]
症例1 40歳代 女性 : 胸部腫瘤
褐色脂肪組織の活性化を伴う多発副腎外性褐色細胞腫(傍神経節腫)
multiple extra-adrenal  pheocromocytoma/paragangrioma (not R/O malignant pheocromocytoma / paragangrioma)with activated brown adipose tissue

 

 鑑別診断

CT/MRI:神経原性腫瘍、転移、悪性リンパ腫 傍神経節腫
FDG-PET/CT:悪性リンパ腫・神経原性腫瘍(後縦隔)・悪性褐色細胞腫/傍神経節腫(頚部、傍椎体、副腎)、転移(原発不明癌) 、副腎皮質過形成・副腎腺腫・副腎癌(副腎)
後腹膜集積:悪性リンパ腫(腎周囲型)、蜂窩織炎、後腹膜線維症、キャッスルマン病、LCH 、褐脂肪組織

 

 褐色細胞腫(副腎性+副腎外性)

多発、両側性、小児例、悪性例が約10%→ 10%disease

【病理学的分類】
  副腎髄質由来→褐色細胞腫
  傍神経節由来→パラガングリオーマ

【臨床的分類】
  副腎性
  副腎外性

:褐色細胞腫/傍神経節腫の良悪性鑑別
・病理像からは良悪性が鑑別しにくい。
・傍神経節組織外への転移が認められた場合転移と判断する。
・副腎外に多発病変を有す患者は悪性の経過をたどることが多い。

topic:近年は多数の遺伝子異常が報告されている。
注目すべき遺伝子としてSDHB遺伝子が挙げられる【遺伝性褐色細胞腫・パラガングリオーマ症候群】

【後腹膜・腸管膜脂肪織の著明なFDG集積と濃度上昇】
読影のポイント:
1.褐色脂肪組織はFDGの生理的集積部位であり、主に鎖骨上、傍椎体に存在するが、後腹膜、腸管膜にも分布する。
2.MIP画像にて褐色脂肪組織の分布に一致した高集積:カテコラミン高値の病態を読み取る。
3.カテコラミン高値により活性化されている褐色脂肪組織は脂肪滴が減少し CT上は濃度が上昇する。

 

参考文献
・J Endocrinol Invest 1992;15:643-649
・J Nucl Med 2010 ;51(2):246-50
・Clin Nucl Med 2012 ;37(5):514-5
・Am J Hypertens 2000; 13 : 35-43

 


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