第 340 回 東京レントゲンカンファレンス［2012年11月22日］
症例４ 40歳代 女性 ： 胸部異常陰影
| 軟骨肉腫 chondrosarcoma |
| 鑑別診断（軟骨腫：内軟骨腫と骨軟骨腫を含む） |
縦隔腫瘍
・胸腺嚢胞、心膜嚢胞、奇形腫
胸壁腫瘍
・良性：神経鞘腫、血管腫、動脈瘤様骨嚢腫、軟骨腫
・悪性：軟骨肉腫
| 軟骨肉腫 |
【分類】
原発性：通常型、明細胞性、間葉性、粘液様、脱分化型、骨膜性
続発性：内軟骨腫、Paget 病、単発性骨軟骨腫、多発性骨軟骨腫、滑膜軟骨腫症
転移性
【疫学】
・原発性悪性骨腫瘍の18%
・中高齢者（30〜60 歳以上）に多い
・肋骨→扁平骨→長管骨に発生
【Grade 分類】
10 年生存率
grade1 83%：分化度の高い軟骨基質を形成。細胞密度は低く、核異型は少ない。内軟骨腫の組織像と類似。
grade2 64%：grade1 より分化度が低く、細胞密度は高い。
grade3 29%：軟骨基質の形成乏しく、核異型が高くなる。
【特徴】
当てはまる所見
・年齢(40 歳代)
・部位(肋軟骨近傍)
・MRI 信号
当てはまらない所見
・石灰化
・Buttress sign
・分葉状の形態
・造影効果 dot/隔壁様
参考文献
・日本本整形外科学会骨軟部腫瘍委員会：全国骨腫瘍患者登録一覧表, 1996 年, 国立がんセンター
・Dahlin’s Bone Tumors, K.Krishnan Unni, Carrie Y. Inwards
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