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第 340 回 東京レントゲンカンファレンス[2012年11月22日]
症例6 70歳代 男性 : 右大腿腫脹・疼痛、歩行困難、食欲不振
魚骨による上行結腸穿孔で生じた右大腿部蜂窩織炎
right thigh cellulitis secondary to ascending colon perforation by a fish bone

 

 消化管異物による穿孔

・消化管異物の多くは自然に排泄され、穿孔などの合併症を起こすのは1%以下
・我が国では魚骨が多い(欧米では鳥骨や爪楊枝)


 魚骨による消化管穿孔

・急性型(腹膜炎)と慢性型(肉芽腫・膿瘍)に分類
・男性に多い
・50 歳以上が85%程度(男性は50 代がピーク、女性は70 代がピーク)
・穿孔部位は消化管全体にまんべんなく報告されているが、回腸・横行結腸・S 状結腸に多い
・手術が施行された症例の術前正診率は22%程度
・ 術前診断にはCT が最も有用

参考文献
・葉季久雄ほか:術前に診断しえた魚骨による回腸穿孔の1 治験例 過去10 年間の魚骨による消化管穿孔271 例の分析.日消外会誌34(11) : 1640-1644, 2001.
・吉田里佳ほか:消化管異物(魚骨)による十二指腸穿通,後腹膜膿瘍を形成した1 例.腹部画像診断アトラス14 : 展示-68
・岡田卓也ほか:魚骨による腹壁膿瘍をきたした1 例.腹部画像診断アトラス12 : クイズ展示-10

 


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