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第 343 回 東京レントゲンカンファレンス[2013年4月25日]
症例1 20歳代 女性 : 頭痛
頭蓋骨類上皮腫
epidermoid cyst of the skull

 

 頭蓋骨から発生する腫瘍についての鑑別

転移性腫瘍、多発性骨髄腫:X線所見より、この腫瘍は、周囲に硬化像を伴っていたので、良性と考えられ悪性は否定的。
骨血管腫:Xp上の特徴として、sunburst appearanceという中央から放射状に延びる骨梁の変化がある。
     MRI造影T1強調像では造影効果を認める。
     T2強調像で高信号となり本症例に似ているが、X線とMRI造影所見が異なる。
軟骨腫:X線上、不規則な斑点状の石灰化、骨破壊像が特徴的。
    造影T1WIでは、周辺がリング状に増強されるなど画像上異なる。
脊索腫:T2強調像では高信号が特徴的で本症例と同様。
    造影では増強効果あり、拡散強調像では高信号域を示すこともある。
巨細胞腫:Xpで骨融解像であり、造影T1WIで強く増強される。
髄膜腫:Xp上、過骨や融解像を示し、造影T1強調像では不均一に増強効果を認める。

 

 骨発生の類上皮腫

発生頻度:全頭部腫瘍の0.3-1.8%、全類上皮腫の16-25%
発生部位:頭頂骨(35.9%)、前頭骨(30.4%)、後頭骨(15.2%)、蝶形骨(9.8%)、側頭骨(2.2%)
硬膜外類上皮腫の分類 (Skandalakisら)
 ➀ 外板型 
 ➁ 内板型
 ➂ 板間層型: 最も多い
     板間層内型
     内方発育型: 板間層に発生し、頭蓋内に増大
     外方発育型
     亜鈴型: 内外両方に向かって発育

<頭部X線撮影>
円形〜楕円形の境界鮮明な骨透亮像
透亮像の辺縁は硬化像を伴うことが多い

<CT>
均一な低吸収域、高吸収域、低吸収域に散在性高吸収域
→高吸収域: 腫瘍内の高蛋白濃度、二次的炎症性変化による硝子化、石灰化、骨化などが生じている

<MRI>
T1WI: 一定した所見は呈さない
T2WI: 均一な高信号域 
造影T1WI: 増強効果を認めない
  ※造影効果あり: 悪性類上皮腫の併存を示唆
DWI: 著明な高信号域
ADC: 脳実質と同等

 

参考文献
・嶋田淳一ら  脳外誌 10巻12号 2001年
・柿野俊介ら 脳外誌 8巻2号 1999年


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