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第 346 回 東京レントゲンカンファレンス[2013年9月26日]
症例5 30歳代 女性 : 多飲
尿崩症で発症したランゲルハンス細胞組織球症
diabetes inspidus in Langerhan’s cell histiocytosis(LCH)

 

 Langerhans 細胞組織球症

・Langerhans 細胞組織球の増殖による肉芽腫性疾患
好発年齢は 1〜15 歳 成人の報告例は30%以下
・男性にやや多い。
・骨に好発する。(80%)
・骨の他には肝臓、脾臓、肺、皮膚に多い。


 LCH の中枢神経病変

・中枢神経病変は10〜50%の患者に認められる。
・中枢神経系では視床下部・下垂体系に好発する。
中枢性尿崩症の原因となる。
・中枢神経病変が先行し、骨病変が遅れて出現する場合もある。


 視床下部LCH の鑑別疾患

Germinoma、他の炎症性・肉芽腫性疾患が鑑別となる。

・Germinoma
・下垂体炎
・サルコイドーシス

[Gerninoma]
視床下部のGerminoma はLCH との鑑別は困難。
下垂体の機能低下・下垂体前葉の腫大を伴う場合もある。
臨床的には脳脊髄液中腫瘍マーカー(AFP、HCG)

[下垂体炎]
病変の首座は下垂体〜下垂体柄
硬膜や小脳テントの造影効果、涙腺の腫脹

[サルコイドーシス]
病変の首座は下垂体〜下垂体柄
脳室周囲白質病変、基底核の結節病変が特徴。肺・顔面病変を伴う。

Germinoma vs LCH Germinoma LCH
 中枢性尿崩症、T1WI で後葉の消失
 年齢(30歳代) △〜×
 性別(女性) ○(性差無し)
 CT で高吸収
 T1WI 等信号、T2WI 高信号、変性に乏しい
 Gd 均一な増強効果
 骨病変無し
 拡散制限なし ×

 

 本症例のPoint

・若年者の中枢性尿崩症 → Germinoma, LCH を最初に考える。
・骨病変の無いLCHも20%程度存在する。
・拡散強調像も診断に有用である。

 


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