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第 348 回 東京レントゲンカンファレンス[2013年11月28日]
症例1 60歳代 女性 : 高血圧、糖尿病で加療中。健診で膀胱腫瘍を指摘された。
副腎外褐色細胞腫(傍神経節細胞腫)
extra-adrenal phochromocytoma(paraganglioma)

 

 鑑別診断

・Leiomyoma
・Neurofibroma
・Hemangioma
・Paraganglioma
・Inflammatory Pseudosarcoma

 

 Bladder paraganglioma

・粘膜下、筋層内のクロム親和性細胞より発生(膀胱のどこでも)
・頻度
 –全膀胱腫瘍の0.5%未満
 –全褐色細胞腫の1%
 –悪性例は本邦の報告では15%
・症状
 –発作性高血圧
 –排尿時発作(頭痛,動悸,高血圧,冷汗)(65-70%)
 –血尿(55-60%)
 –波多野ら142例の検討では典型的な症状を示さない頻度は23例(16.2%)

・ホルモン検査
 –27%前後で陰性となる
・画像診断の意義
 –術前組織診断を兼ねて経尿道的腫瘍切除術が施行されたときに,侵襲,膀胱過伸展により高血圧クリーゼを生じることがある

・MIBGシンチ(褐色細胞腫での検討.膀胱を必ず撮像範囲に含める)
 –検出感度:90%
 –特異度:100%
・CT
 –非特異的
・MRI
 –T1強調像で大臀筋と比較して高信号(原因不明)
 –T2強調像で高信号
 –拡散強調像で拡散制限(平均0.973×10-3 mm2/s)

 

参考文献
・波多野ら.泌尿紀要2006; 52: 55-58
・Wang Hら.Eur J Radiol 2011; 80: e217-220

 


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