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第 349 回 東京レントゲンカンファレンス[2014年1月23日]
症例5 80歳代 女性 : 腹痛、嘔吐、下痢
胆嚢捻転
volvulus of the gallbladder

 

 胆嚢捻転

背景に遊離胆嚢
 ・先天的(人口の4〜11%)
 ・後天的(内臓下垂、亀背、側彎、るいそう、外傷など)

症状:上腹部痛、発熱、黄疸(7%程度)

分類:完全型(捻転が180 度以上で自然解除の可能性がない)
   不完全型(捻転が180 度以下で自然解除の可能性がある)

画像診断
US 胆嚢腫大や緊満感、胆嚢壁肥厚、
胆嚢内部エコーdebris の出現・増加
遊走胆嚢の所見:胆嚢偏位、肝の胆嚢床からの遊離
胆嚢頸部に捻転を示唆する淡い異常エコーの出現
胆嚢頸部の捻転による狭小化、胆嚢断面のスクエア化
胆嚢壁の血流シグナルの欠如 など
CT 胆嚢の増強効果の欠如、胆嚢底部の偏位、胆嚢頸部高吸収腫瘤
渦巻き像(whirl sign)、胆嚢腫大、胆嚢壁肥厚、胆嚢腫大
MRI 胆嚢管の先細り、途絶像、胆嚢頸部の欠損像、胆嚢底部の偏位
胆嚢壁の出血性壊死を反映したT1 強調像で高信号


 Pitfall

捻転を疑った場合
通常の5mm 厚の像ではwhirl sign などの
捻転所見がわかりにくい。→ 1〜2mm 程度のthin slice で確認すべきである。
複数方向の画像を参照する。

 

参考文献
臨床画像 vol.29 No.10


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