敗血症性肺塞栓症 Septic Pulmonary Embolism:SPE(肺動脈内異物感染による) |
肺空洞性病変の鑑別疾患 |
腫瘍
・転移性肺癌
・悪性リンパ腫
感染
・敗血症性肺塞栓症
・真菌感染
・結核
非感染性肉芽腫
・Wegener肉芽腫
・リウマチ結節
・サルコイドース
敗血症性肺塞栓症 |
・敗血症に伴う菌塊が塞栓子となって肺動脈に塞栓を起こす感染性疾患
感染源(本邦)
感染性心内膜炎 33.3% 右心系(特に三尖弁)に多い
静脈カテーテル感染 16.7% 中心静脈カテーテル>末梢静脈カテーテル
皮下膿瘍 11.1%
尿路感染症 7.4%
血栓性静脈炎 5.6% Lemierre syndromeなど
齲歯・歯周病 5.6%
骨・関節炎 5.6%
肝膿瘍 3.7%
産科的疾患 1.9%
耳鼻科膿瘍 1.9%
肛門周囲膿瘍 1.9%
腸炎 1.9%
不明 7.4%
起因菌(本邦)
グラム陽性球菌
・Staphylococcus aureus 50%
・Streptococcus spp 11.1%
・Staphylococcus hominis 1.9%
・Enterococcus faecalis 1.9%
グラム陰性桿菌
・Klebsiella pneumoniae 9.3%
・Escherichia coli 3.7%
・Pseudomonas aeruginosa 1.9%
嫌気性菌
・Fusobacterium spp 5.6%
・Peptostreptococcus spp 1.9%
その他
・Candida spp 3.7%
・Unknown 11.1%
CT所見
末梢分布の多発結節影 83%
胸膜直下の楔状陰影 50%
感染に伴う梗塞
空洞形成 50%
塞栓子で血流が遮断されることによる無菌性壊死
菌塞栓による二次感染
チェックバルブ機構による気腔拡張
Feeding vessel sign 67%
肺静脈>肺動脈
辺縁に沿って走行>結節の中心に侵入
画像で推定できる感染源:起因菌との関係
起因菌は感染巣に由来
画像で推定できる感染源 | 起因菌 |
カテーテル | Staphylococcus aureus |
Lemierre syndrome(血栓性静脈炎) | Fusobacterium属 |
肝膿瘍 | Klebsiella pneumoniae |
まとめ |
肺動脈内異物を感染源とした敗血症性肺塞栓症の1例を経験した。
・CTで、感染源が推定できる場合がある。
・その際、起因菌の情報と組み合わることで、診断の確信度が上がる。
参考文献
・高橋雅士 他:胸部画像診断の勘ドコロ, MEDICAL VIEW.2007;332
・佐野剛 他:Septic pulmonary emboli.呼吸.2013;32:58-61
・Woflgang Dahnert:Radiology Review Manual 7th edition, Lippincott Williams and Wilkins:542,2007
・Rui Ye:Respiratory Medicine.2014;108:1-8
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