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第 354 回 東京レントゲンカンファレンス[2014年9月4日]
症例6 60歳代 女性 : 皮膚黄染
乳癌の腹部多発性転移
multiple abdominal metastases from breast cancer


 鑑別診断

・リンパ増殖性疾患
・IgG4 関連硬化性疾患(後腹膜線維症)
・大腸癌、尿管癌、胆管癌と転移
・乳癌の転移

 

 乳癌

転移形式
浸潤性乳管癌(80%)骨・肺・肝に多い
浸潤性小葉癌(5-15%)胸腹膜、皮膚、卵巣、髄膜、

浸潤性小葉癌(原発巣)
多巣性(不連続)
・既存構築の間をすり抜ける形態
・遅延濃染

PET 所見
・一般的に乳癌は集積弱い事多い
・特に、非浸潤性乳管癌、粘液癌、浸潤性小葉癌では集積弱い

 

 今回の(も)教訓

「難しい症例に出会った場合、答えは大抵自分の知っている病気である」
JCR ニュース 191(2012 年11・12 月号)聖マリアンナ医科大学 栗原 泰之先生

通常臨床において難しい症例に遭遇した場合、自分の知らない病気かもしれないと身を引いて諦めてはいけません。
大抵は知っている病気のvariation であることが多いのです。
落ち着いて最も重要となる基本所見は何か再確認し、鑑別疾患を考えなおしましょう。

 


 

参考文献
・第10 回京都乳癌コンセンサス会議 京都大学病理診断部 三上先生 ミニレクチャー「特殊型乳癌の病理」http://www.kyoto-breast-cancer.org/jp/regular/pdf/lecture01.pdf
・Lopez JK, et al. Radiographics. 2009;29(1):165-76
・S. Ferlicota, et al. European Journal of Cancer 2004; 40:336-341.

 


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