症例１　30歳代　女性

気管・気管支結核 tracheobronchial tuberculosis

 

画像所見

 

	胸部単純X線：異常所見なし。 単純CT：気管右側から右主気管支に壁肥厚・内腔凹凸
	右肺S3b末梢に分枝状陰影，気管支内粘液貯留

 

気管・気管支結核

・（区域気管支より）中枢の気道における結核　　　　
・咳嗽があるが、肺野病変が無いか軽度のことも多く診断が遅れやすい。しかし強烈な排菌がある。
・女性、左主気管支に多い。
・後遺症として慢性期の瘢痕狭窄が知られる。

 

気管気管支結核のCT像

気管・気管支結核の画像

・活動期：壁肥厚，内腔の凹凸、周囲脂肪織混濁　　　　
・慢性期：内腔平滑な狭窄、壁肥厚は軽減
・鑑別診断：気管癌、気管乳頭腫症、多発血管炎性肉芽腫症（Wegener肉芽腫症）、再発性多発軟骨炎、アミロイドーシス、鼻硬化症　　　　　　　など

 

まとめ

・30代女性の気管・気管支結核症例を呈示した。　　　　
・胸部画像の読影では、肺野だけでなく太い気道の病変にも注意したい。
・画像のみで鑑別を絞るのは難しい場合もあるが、気管・気管支結核では大量の排菌があるため、疑いを持ったら速やかな喀痰検査・感染防護を推奨した方がよい。

 

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参考文献
・Kim Y et al. Tuberculosis of the trachea and main bronchi: CT findings in 17 patients. AJR 168; 1051-1056, 1997　　
・Prince JS et al. Nonneoplastic lesions of the tracheobronchial wall: radiologic findings with bronchoscopic correlation. 　Radiographics 22; S215-S230, 2002
・倉澤 卓也, もう一つの結核: Endobronchial Tuberculosis. 結核 85; 805-808, 2010　　　

 

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Moderator：　風岡　純一

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