動脈瘤塞栓後の親水性ポリマーコーティングによる異物肉芽腫 granulomatous foreign body reaction associated with hydrophilic coating polymer |
コイル塞栓術の合併症 |
・合併症全体の発症率:4.4%
・血栓塞栓が最多(3.3〜9.2%)、次に術中破裂 (1.7%)。
・カテーテルやコイルとの関連が疑われる亜急性期以降の合併症の報告も散見
・塞栓術の数週〜数か月後に塞栓動脈の支配領域に一致してリング状の造影効果が出現し、病理で親水性polymer filamentをコアとする肉芽腫の形成が認められ報告あり1)
画像所見と鑑別診断 |
・画像所見:塞栓動脈の支配領域の皮質/皮質下に多発するリング状増強効果+白質の浮腫
・鑑別診断:血栓塞栓、感染(膿瘍)、異物肉芽腫
親水性コーティング |
・操作性の良さや血栓形成が少ない事から、多くのマイクロカテーテルの先端部に親水性コーティングが施されている
・コーティングが剥がれる機序は不明だが、長時間の操作や動脈の石灰化がリスクとされる
まとめ |
・頻度は高くないが、脳動脈瘤コイル塞栓術後の亜急性期合併症として異物肉芽腫の可能性は知っておくべき→不要な生検や治療を防ぐ
・治療は痙攣に対する対症療法、ステロイドなど。症状がなければ無治療で画像所見が消失することも。
参考文献
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